手作り子供服 はじめに左利きは器用だといわれますが、あれは絶対に嘘。実際私は不器です。 「お前みたいな不器はうちの家系にはいない」とまで母にいわれた私が器用だといわれるようになったのは、H9年に長男を授かってからです。 私の母の年代というのは、花嫁修業に裁縫学校へ行っていて洋裁ができて当たり前で、今でも思い出すのはかたかた足ぶみミシンをかける母の後姿です。 それがずっと目に焼きついていたせいか、自分も子供が生まれたら何かミシンで縫ってやるのが当然のような思いがして。 はじめは仕付け糸をしていても真っすぐ縫えなかったり、ミシンの縫う速度が一番遅いのにもっと遅くならないかなと思ったりで大変でした。 長い不器歴の私には大変なことでしたが、出来上がった服を我が子に着せてみるとなんとも可愛い。 今度はもっと上手に作ろう、今度はどんなデザインのものを作ろうかと、子供の服作りにどんどん夢中になってしまったのでした。 母は私が子供服を作るようになるなんて思ってもいなかったようです。 「お前が一人前になってよかったよ」と笑いながらよく言ってました。 子供服が出来上がるたびに息子に着させて実家に見せに行くと、「上手だね」とほめてくれて、その言葉も励みになったような気がします。 そんな母も2年前に亡くなってしまいましたが、母の子供への深い思いは私が受け継ぎ、今は私が息子たちにミシンをかける後姿を見せています。 息子たちが大きくなった時、私の後姿を覚えていて少しでも母親の愛を感じてくれればいいなと思っています。 |